リーガルマインドを養うために
法学の基礎は、まず実際に適用されている法律を知ることから始まります。ですから授業では多くの条文を読み解きます。しかし、その目的はけっして法文の暗記ではありません。法律がどのような考えに基づいて制定されているのかを自分自身で解き明かし、法律的な考え方“リーガルマインド”を修得すること。つまり、専門的な職業知識としてだけではなく、一般的な社会生活を営む上で必要不可欠な法的知識に基づいて「判断する能力」を身につけることにあります。カリキュラムのコンセプト
法学部のカリキュラムでは、「基本の重視」「学生の自主性の尊重」「少人数教育主義」という3つの方針に基づいてカリキュラムを編成しています。社会の発展と学生のニーズに応えるカリキュラム
憲法・民法・刑法をはじめとする伝統的な科目に加え、進路別の4コースの特性に応じた興味深い科目群が提供されています。法律専門職を目指す人のための「法曹特講」、現代企業が直面している諸問題を扱う「現代企業担保実務」「契約書分析」、国や自治体の政策決定・実施について取り扱う「法政策学」「比較政策論」、国際的な視野を養うための「EU法」「外国法」など。また、現代的なテーマを取り扱う「環境法」「知的財産法」「情報法」「消費者法」なども設けられ、学生の多様なニーズに応えています。1・2年次における基本の重視と法学への興味の喚起
1・2年次開講の専門分野の講義科目では、社会で通用する法的思考力を身につけるために欠くことのできない基本科目である憲法・民法・刑法の3科目中心に学習します。法学部で学んだ社会人として確実な知識を備えるためには、早い段階で基礎を固めることが必要です。そのようなコンセプトから1・2年次にはこの3科目について徹底的に学んでいただきます。1・2年次開設の講義科目にはその理解を助け深めるための学習支援ゼミナール「基本書演習」「基礎演習」が有機的に連動しています。また、早くから法学を学ぶ魅力を知り、その学び方を発見しながら、リーガルマインドを育むことができるような科目群も1・2年次から履修することができます。憲法・民法・刑法以外の法律系科目(商取引法、会社法A、行政法Ⅰ、国際法Ⅰ、司法制度論など)、法学部専任教員が自らの研究テーマについて分かりやすく語るリレー講義「法学への誘い」、犯罪被害者、公害問題、消費者被害、児童虐待、高齢者介護などの当事者や現場で問題解決のために活躍している実務家の方々の話を聞くことにより現代社会の直面する諸問題の実態を知り、大学での学びの動機付けや将来進路の参考にするためのリレー講義「現代社会と法」などです。3・4年次におけるコース選択と専門演習による高度な自主的学習
3・4年次には、学生が希望するコースを選択して1・2年次に培ったものを基礎にして高度な専門学習をすることができます。コースは、将来進路におうじて、(1)法プロコース(法律専門職)、(2)企業と法コース(銀行・商社・マスコミなどの民間企業)、(3)公共政策コース(各種公務員など)、(4)国際社会と法コース(外資系企業、国際公務員など)に分かれており、それぞれのコースに特色のある専門科目が配置されています。専門部門と基礎部門は車の両輪
法的思考力を身につけるためには、社会と人間への広く深い理解が不可欠です。そのような知的基礎体力を養うために設けられているのが、外国語科目、教養科目、体育実技科目からなる基礎部門です。法学部では学生の自主性を尊重し、科目選択の自由度を大きく広げています。また1〜4年次を通して専門科目と平行して履修することができるフレキシブルなカリキュラム編成になっています。これにより、各人の関心・興味に応じて多彩な基礎部門の科目を履修することができます。